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ソルビトールとは、ブドウ糖(グルコース)から合成されてできる糖アルコールの一種で、砂糖の60%の甘味度があります。梨、リンゴ、プラムなど、バラ科の果物に多く含まれ、甘味料として用いられる食品添加物です。
熱に強いく、脂質やでんぷんの酸化・劣化の防止といった作用があります。緩下作用もあるので、多く摂取すると下痢を起こすことがあります。
ソルビトールは、糖尿病の合併症の原因の一つと考えられています。
ブドウ糖は、細胞で一部がソルビトールに変化し、そして果糖に変わって代謝されます。
しかし、糖尿病になって高血糖がつづくと、アルドース還元酵素というブドウ糖をソルビトールに変える酵素が、ソルビトールを大量に作り出します。でも、大量につくられたソルビトールを果糖に変化させる酵素の処理速度が間に合わないので、ソルビトールが細胞の中にたまってしまいます。
これらの状態により、神経や血管などに障害が起こると考えられています。目の中の網膜、腎臓、神経の細胞は、特にソルビトールを大量につくりやすいので、糖尿病は合併症として、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、などが起こりやすくなるのです。
これらの 3つの合併症を糖尿病の 3大合併症といいます。
ソルビトールが合併症の原因と聞くと、ソルビトールの入った食べ物は危険、と思われるかもしれませんが、それは違います。ソルビトールは腸からほとんど吸収されないので、食品から取り入れても合併症が進行することはありません。 |
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